リアル あたしんち

昭和平成を生きるスーパーオカンと家族のエピソード

父の本当の思い

父に1度だけ
「私は本当にお父ちゃんの子に生れてきてよかった。愛してる。」
と電話で伝えたことがあります。



というのも、私が参加していた
自己啓発セミナーのミッションに
『両親に愛していると伝える』というのがあったからです。
そのセミナー内で必ずやらないといけなくて


・・・手紙で感謝を伝えたことはあっても
自分の口で言葉にして伝えたことがなく

「そんなこと、できない~」😱
と思っていたんですが
仕方なく父に電話し、実行することにしました。


最初に電話に出た父は
「なんや~。どないしたんや。」
と。

「今、セミナーに来ててな、それで、ちょっと言われたことがあるんやけど
親に感謝の言葉を伝える、っていうのがあってな。それで、電話したんやけど・・」

と前置きし、


「お父ちゃん、愛しているで。
私は、本当にお父ちゃんの子に産まれてきてよかった
って思ってるよ。」
と言いました。


私の中では
やっとミッションクリアできた~!
とホッとして、さっさと電話を切ろうと思ってたんですが
電話の向こうで父が泣いている・・・!



「・・・お父ちゃんは、今まで家族に迷惑かけてきてばっかりで
ほんまにすまんかった・・・って思っとる
・・・貧乏で
ほんまに何にもしてやれんかった・・・
学校もええとこ行かせてやれんかった・・・
・・・・ごめんなぁ・・・・」
父が、泣きながら言う。



そんな父の言葉を聞くと、私も思わず涙があふれてきました。



たしかに、うちの家は貧乏やったけど
それがあったからこそ、
今の私があるって思えるし、今、私は本当に幸せやと思ってる
今、自分は強い人間に成長できたと思ってるし、自立もできて
ほんまに、幸せやで。
お父ちゃんの子に生まれんかったら今の自分はないと思ってるから。
お父ちゃん、大変やのに、育ててくれてありがとう。」

と言いました。



父も私も涙ながらに話しをしました。



ただの、自己啓発セミナーのミッションでしたが
親子の間で1番伝えにくいことを言葉に出して言うことができて
私たち親子の間は、何か1歩進んだような気がしました



父は、会社が倒産して、人生転落
本当に辛い思いをしながら、家族のために働いてきてくれていました
死にたいと思ったこともあるでしょう
でも、私たちにそんな負い目を感じていたとは
私も全く知りませんでした。



初めて、父の本当の思いを知ることができて
本当によかったな、言ってよかったな、と思いました



生きている間に、きちんと、感謝の言葉を伝えることは
本当に大事なことだな、と今になってつくづく思います。



今は、そんな父も
細々と仕事をしながら、愚痴も言いながら
穏やかな笑顔で過ごしています。
あと、父と何年一緒にいられるか分からないけれど
父と一緒にいる時間を大切にしたいな、と思っています。



ちなみに、このミッション
オカンにもしたんですけど。
オカンは照れ臭かったのか
「そんなこと、とっくに分かっとる」と(笑)


【韓国の屋台:色んなフルーツ屋台があるけど、大きくてフレッシュな苺とチョコは美味しかった!】