リアル あたしんち

昭和平成を生きるスーパーオカンと家族のエピソード

ばあちゃんの信念

私のばあちゃんは、大正生まれの
“もったいない世代”

「もったいない、もったいない」
と言いながら
穴のあいた靴下の穴をよく縫っておりました






もちろん、靴下だけではありません。
ズボンやシャツ、どんなものでも
穴があいたら縫う、つぎはぎする
というのがばあちゃん流。
昔の人はそれが普通だったんだと思います。



ばあちゃんには、4人の息子がいて
その一番下の息子のケンちゃんと一緒に暮らしていたのですが
ケンちゃんが着古した、ワイシャツや肌着、パジャマ
ステテコまで自分へのおさがりとして
愛用?していました。(もちろん、穴は繕って)


そんなばばあちゃんの姿を見て
家族は新しい下着やら、衣類なんかをばあちゃんに
プレゼントしていた
んですが
もったいない病のばあちゃんは
「こんなええやつ、着るのもったいない」
と言って新品のものは、大切にタンスの奥にしまっている✨✨✨
という・・・。



「ちゃんと、新しいやつ、持っとるんやで~」
と言って、大切にしまっている肌着なんかの新品コレクション
私によく見せてくれていました。



「これは、よそいき。」(特別な時に使う)
と言い、いつ、その新しいモノたちが使われる日が来るのか
わからずとも大切にしまいながら
ばあちゃんは、古着を着て、日々暮らしておりました



そんなある冬の朝のこと
何やら、あわただしい音が聞こえる。
どうやら救急車の音!
救急隊員が来ていました。



ばあちゃんが、倒れたのです
スートーブをつけようとしていたばあちゃんが
そのままフラ~っと倒れこんでしまい、意識がなくなったと。
同居していた大伯母が気づいて、オカンに知らせてくれ
救急車を呼びました。



病院に運ばれたばあちゃんは、クモ膜下出血でした。



クモ膜下出血といえば、医療が進歩した現代さえ
なかなか助かる確率は低い病気です。
当時(昭和時代)はなおさらのことです。



「ばあちゃん、死んでまうかも・・・😭」
と心配で心配で、毎日ばあちゃんの無事を祈っていました🙏🙏🙏



でも、奇跡が起きたんです✨✨✨✨✨
手術は無事に終わり、ばあちゃんは数か月の入院とリハビリ期間を経て
家に帰ってきました


かえってきたばあちゃんは、頭の骨に穴があいて
その部分がへこんだようになっていましたが、ぼーっとしているものの
ちゃんと、ごはんを食べ、足湯をし、なんとか動き、少し話せる
という感じでした。


でも、無事に帰ってきてくれて
神様に感謝しました✨



その後、少しずつばあちゃんは、元気になり
再び、自転車に乗り、畑仕事に出かけられるほどになりました。


元気になってから、ばあちゃんが倒れた時の話をするんですが
オカンが
「あの時のおばあさん
ケンちゃんのパジャマとステテコ履いたまんま
運ばれて・・・。

ズボンの前あいたやつ で。
しかも、つぎはぎして・・。
ほんま、恥ずかしいから、いつ倒れてもええように
もう男物のズボンとかステテコとか履かんといてよ!」




と、何度もばあちゃんに釘をさすんですけど
相変わらず、ばあちゃんは、ケンちゃんのパジャマを着て寝るのでした~。



これぞ、ばあちゃんの信念?



ちなみに、ばあちゃんがクモ膜下出血になったのは65歳
ばあちゃんは、82歳まで長生きできました。


【韓国で食べたキンパ】
ピリ辛にごま油の風味がしてとっても美味しい